『ザ・ホエール 原題the whale』(映画)が、キャストとストーリーで伝えたかったことは? 引きこもり超肥満男性のハートフルストーリー

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)が話題沸騰です。

まず、ポスタービジュアル。
ポスターいっぱいに映った主演男優が話題をさらいました。
古くからの映画フアンさえ、一瞬、だれかわからなかった、といいます。

見事にメイクされ、推定200kg超の巨漢に扮しているのは
ブレンダン・フレイザーでした。

20年以上の沈黙を破っての出演。
さらには、『ハムナプトラ』の精悍でイケメンな戦士の面影がみじんもないルックス。
主演映画『ザ・ホエール(原題 the whale)』の衝撃的なストーリーと
主演俳優ブレンダン・フレイザー自身の空白の20年。

調べずにはいられなくなりました。

なるほど、イギリス、アメリカ、そして世界を、騒然とさせたこと、納得できます。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)あらすじ、気になる!!主演俳優の20年ぶり復帰と劇的変貌・離婚・ゲイ・失恋・ひきこもり・鬱・過食症・超肥満・心不全・迫る死期!でもハートフルってどういうストーリー?

離婚・ゲイ・失恋・ひきこもり・鬱・過食症・超肥満・心不全・迫る死期
これはすべて、『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)の主役チャーリーのエピソードです。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)は、そのストーリーも話題です。
あらすじをお伝えします。

40代のチャーリーは、元教師。娘がひとり。でも離婚。
なぜか。
チャーリーは、男性しか愛せなかったから。
本当の恋人ができて、「普通の暮らし」が苦しくなった、のでしょうか。

けれど、チャーリーの新しい暮らしは、
恋人アランの死で終わります。
悲しみで、鬱状態。
家を出られなくなり、過食症に陥って、歩行器でしか移動できないほどの肥満に。
そして、肥満が元で心不全に。
けれど、
『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)の主人公チャーリーは、
自らを助けようとはしないのです。まるで、消極的な自殺。

そんな折、高校生になった娘が、学校と家庭の両方で問題を抱えていることを知ります。
自らの病気は進行しています。
残された時間のないことは、チャーリー自身がいちばんよく知っています。

チャーリーは、
引きこもっていた家から出ることを決めます。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)は、
チャーリーの最期の5日間を描いた映画です。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)、
この救いようのないほどつらいエピソードの連続・重複の中で、
引きこもること、死んでいくことを選んだチャーリー、
社会的なステータスより、自身の心を選んだチャーリーを描きます。
(チャーリー自身がそれを「選んだ」ことは、いつも明るい笑顔の自身の姿からわかります。)

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)が、社会に投げかけたかったメッセージ。
『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)が、本当に描きたかった孤高のチャーリー。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)は、
何より、そう、死より、チャーリーが大切にしたかった「愛」を
浮かび上がらせていると、私は思いました。

 

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)、
ハートフルな、
泣きながら悩みをデトックスできる作品だな、と思います。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)キャストも話題!ブレンダン・フレイザー(主演)アカデミー男優賞受賞!!どんな俳優?キャリアは?

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)は、キャストも話題です。

まずは主演のブレンダン・フレイザーのポスタービジュアル。
衝撃的!!な変貌です。

チャーリー役のブレンダン・フレイザーは、
1999年映画『ハムナプトラ』シリーズで、アカデミー賞受賞俳優になっています。
ブレンダン・フレイザーを有名にした映画『ハムナプトラ』で、
ブレンダン・フレイザーは、精悍にしてイケメン、クールなアメリカ兵士、という役どころでした。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)では、
その精悍なイケメン、ブレンダン・フレイザーが、
20年以上の空白を経て、
272kgの40代ぽっちゃりおじさんとしてポスターに登場したわけです。
4時間かけた精巧なメイクがあり、ファットスーツも着ている、とあとから知りますが、
これは、映画フアンに衝撃を与えたと思います。
一見してブレンダン・フレイザーだと気づいた人が何人いたでしょうか。

さらに、『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)で、
主演のブレンダン・フレイザーが話題になったのには、もうひとつ理由があったと思います。
ブレンダン・フレイザーの20年にも及ぶ空白と、
『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)のキャラクターの境遇に、
多くの重なりがあったことが、その理由です。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)は、
「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、
劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、
ブレンダン・フレイザーを引っ張り出した作品とも言えるそうです。

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)の主役、ブレンダン・フレイザーは、
20年間引きこもりでした。
ハリウッドの有名プロディーサーの男性からセクシャルハラスメントを受け、
それがきっかけで、鬱を患い、引きこもりになってしまっていたのでした。

ブレンダン・フレイザーは、チャーリーの痛みを理解できる、チャーリーを魅力的に演じてくれると
ダーレン・アロノフスキー監督は直感したのだと思います。
説得し、この作品『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)に引っ張り出したのでした。

ブレンダ・フレイザーにとっても
チャーリーを演じることには、大きな勇気が必要だったでしょう。
容姿、内面とも、さらけ出すことを求められました。
ブレンダン・フレイザー自身が、この体験を以下のように語っているそうです。

この役を演じるのが怖かった。自分の限界を越えて深く掘り下げ、わたしのすべてを見せたつもりだ。それがこの映画に焼き付いている。あまりにハードでパーソナルな経験だったから、撮影の前と後では違う自分になっていた。このチャンスに感謝している。

そして、
『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)のブレンダン・フレイザーは、
愛され、絶賛されます。

脇を固めた俳優陣もまた、
『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)をよりハートフルにしていたようです。

次のような感想を見つけました。
この作品『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)と、キャストとを、
ぴったり表現してくれているように思えます。紹介させてください。

とにかくブレンダン・フレイザーの演技が素晴らしかった。
チャーリーは歩行器なしでは歩くこともできないくらい超太ってるんだけど、そんな姿になってしまうほど愛するアランの死がショックだったんだな…娘のエリーのことも本当にずっと想い続けてたんだな…ということが、アランのことを話す時の表情やエリーを見つめる眼差しからひしひしと伝わってくる。こんなに太ってて死にそうなのに悲観的にならずに笑顔を見せるチャーリーが可愛らしかったけど、大笑いしたあとは必ず咳こむからそれが逆に体調の悪さを際立たせて心配になった。
リズ役のホン・チャウとエリー役のセイディー・シンクの2人もすごくよかった。リズもエリーもアル中ママも眞栄田郷敦似の宣教師くんもピザ配達員も、登場人物がみんなどこか思いやりがあって、明るい話ではなかったけど見ていてほっこりした気持ちになれた。

 

 

『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)と引きこもり 映画は社会に何を投げかける?

「ひきこもり」は、2010 年の厚生労働省ガイドラインでは、次のように定義してされています。

「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には 6 カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念である。

ひきこもりという言葉が社会にではじめるようになったのは、1980年代のようです。
中高生といった若者の問題とされていたひきこもりは、
英和辞典にも「hikikomori」としてけいさいされるようになっています。
30年以上を経過し、この間、ひきこもりは長期化し高齢化しました。
しかも、その面倒をみる親とともに孤立し、「8050」問題として深刻化しています。

 

ダーレン・アロノフスキー監督作品『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)のリチャードは、
初めの家族と別れ、恋人アランを亡くし、8年もの間一歩も家から出ませんが、
オンラインで大学の講師をして生計を立てていて、
厚生省の定義からすれば、ひきこもり、と言えないです。

とは言うものの、
社会での生きづらさや、
「普通」と言われる領域には属しがたいグレーゾーンの住人であるという点で、
ひきこもりと定義される方々と、共通するものを持っています。

また、ひきこもらずに、
あるいはひきこもれずにいながらも
『ザ・ホエール(原題 the whale)』(映画)のチャーリーのような
生きづらさを抱える人は少なくないと思います。

だからこそ、ダーレン・アロノフスキー監督は、
サム・D・ハンターによる舞台劇『ザ・ホエール(原題 the whale)』を選び、
ブレンダ・フレイザーを選んで、
映画『ザ・ホエール(原題 the whale)』を世に送り出したのだと、私は思います。

この映画『ザ・ホエール(原題 the whale)』で描きたかったことを語る
ダーレン・アロノフスキー監督自身の言葉を見つけました。ご紹介します。

この映画の登場人物たちは善人でも悪人でもない。僕らと同じようにグレーゾーンの中で生きていて複雑だ。それでも皆お互いに対してのエンパシー(思いやり)を抱いている。以前よりも人々が互いに背を向けているような今だからこそ、重要な問いかけだと思う。

そして、この映画を紹介する「映画COM」のコメンテーターが、
この作品の、現代社会での意味を、実に的確に評しています。

ともすれば目を背けたくなる異形な姿で世界から断絶せざるをえなくなった彼が、心の奥底で信じ続ける願いとは‥‥。誰しもが抱える人間の弱さを率直に描いた感動のドラマ。

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