『聖地には蜘蛛が巣をはる』はイラン映画です。
2022年
「女性 命 自由」を掲げて、立ち上がったイランの人々。
この映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』は、
連続殺人事件を追いかけます。
でも、ミステリ、というより、
殺人事件が連続して行われながら、
解決できない解撤しようとしていない?社会の現実を浮き彫りにします。
『聖地には蜘蛛が巣をはる(映画)』は、
権力に対して、権利を求めて立ち上がる全ての人々への後方支援的な映画です。
「知る権利」が、私たちを救います。
知るべきです。知らないことは、目を瞑ることは、自由を放棄することに等しい。
そう、この映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』は言っているような気がします。
『聖地には蜘蛛が巣をはる』どこで上映?上映館を日付順に掲載
『聖地には蜘蛛が巣をはる』というイラン映画ご紹介したいです。
ミニシアターランキングでは『パリタクシー』『幻滅』に続く3位。
第75回カンヌ映画祭では、女優賞に輝くなど、
世界中で高い評価を受けています。
でもでも、『聖地には蜘蛛が巣をはる(映画)』は、
娯楽大作ではない映画の常で、
全国でも、公開が決まっているのはまだ少数です。
この、今地球に生きる私たちが観るべき映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』を
より多くの皆さんと一緒に共有したいと考えて
『聖地には蜘蛛が巣をはる』の上映館を公開日順にまとめてみました。
あれこれの映画サイトで宣伝しなくなっても、
少し待てば、お近くで公開されるかもしれませんよ。
■4/14(金)
1.北海道 札幌シアターキノ
2.東京 新宿シネマカリテ
3.東京 ヒューマントラストシネマ渋谷
4.東京 TOHOシネマズシャンテ
5.東京 アップリンク吉祥寺
6.東京 立川シネマシティ
7. 神奈川 kino cinema 横浜みなとみらい
8.神奈川 川崎チネチッタ
9.神奈川 シネプレックス平塚
10.千葉 千葉劇場
11.埼玉 ユナイテッド・シネマウニクス南古谷
12.愛知 伏見ミリオン座
13.愛知 ユナイテッド・シネマ豊橋18
14.大阪 シネ・リーブル梅田
15.大阪 イオンシネマシアタス心斎橋
16.京都 アップリンク京都
16.兵庫 シネ・リーブル神戸
17.福岡 KBCシネマ
18.福岡 シネプレックス小倉
*北海道シネマ・トーラス・広島広島サロンシネマは「順次公開」となっています。
■5/5(金)
1.宮城 チネ・ラヴィータ
■5/12(金)
1.栃木 小山シネマロブレ
2.静岡 シネマサンシャイン沼津
3.愛媛 シネマサンシャイン衣山
4.佐賀 シアターシエマ
5.長崎 長崎セントラル劇場
6.熊本 Denkikan
7.宮崎 宮崎キネマ館
■5/13(土)
1.大分 シネマ5
■5/19(金)
1.群馬 シネマテークたかさき
2.山梨 シアターセントラルBe館
3.沖縄 シネマパレット
■5/20(土)
1.福井 福井メトロ劇場
■5/26(金)
1.栃木 宇都宮ヒカリ座
2.長野 長野千石劇場
3.静岡 シネ・ギャラリー
4.三重 進富座
5.岡山 シネマ・クレール
6.徳島 ufotable CINEMA
■6/2(金)
1.香川 ホール・ソレイユ
2.沖縄 シネマプラザハウス19
■6/9(金)
1.山形 フォーラム山形
2.福島 まちポレいわき
3.静岡 シネマイーラ
4.鹿児島 天文館シネマパラダイス
■6/10(土)
1.石川 シネモンド
■6/16(金)
1.福島 フォーラム福島
是非、ここにない最寄り館にはリクエストを!
『聖地には蜘蛛が巣をはる(映画)』は実話ってホント!? あらすじは?ネタバレあり
『聖地には蜘蛛が巣をはる』は、
2000~2001年、イランで起こった連続殺人事件を扱っています。
『聖地には蜘蛛が巣をはる』で、
事件を追いかける主人公の女性ジャーナリストが探っていく事件そのものが実話です。
そして、この殺人事件が起こっていた国イラン、その第二の都市聖地マシュハドも、
『聖地には蜘蛛が巣をはる』同様に殺人鬼を英雄視した社会も、実在します。
『聖地には蜘蛛が巣をはる』は、実話です。
そのあらすじを、『聖地には蜘蛛が巣をはる』公式サイトから引用します。
聖地マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件。「街を浄化する」という犯行声明のもと殺人を繰り返す“スパイダー・キラー”に街は震撼していた。だが一部の市民は犯人を英雄視していく。事件を覆い隠そうとする不穏な圧力のもと、女性ジャーナリストのラヒミは危険を顧みずに果敢に事件を追う。ある夜、彼女は、家族と暮らす平凡な一人の男の心の深淵に潜んでいた狂気を目撃し、戦慄する——。
この狂気の男こそが殺人犯サイード・ハナイです。
女性ジャーナリスト:ラヒミが、真相を暴き、社会を糾弾する、と思いきや
この映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』は、
犯人:ハナイの内面と一生に迫るのです。
背景にあるイラン政府とイスラム教の人権侵害への批判でもなく、
腐敗した中東社会への批判でもない、
世界中のあらゆるところで起きている「女性に対する人間性の抹殺」を浮き彫りにします。
そして、被害にあった女性たちを、
娼婦という肩書で片づけず、奪われた人としての尊厳を取り戻そうという意図が
『聖地には蜘蛛が巣をはる』の監督アリ・アッバシにはあったと言います。
また、主人公の女性ジャーナリスト:ラミヒの物語も見ごたえがあります。
『聖地には蜘蛛が巣をはる』の鍵です。
イランで、女性として生きるということはどんなことなのか。
その困難と葛藤を描き、どのように乗り越えるかを描きたかったのだとおもいます。
殺人犯ハナイの物語が、マイナスメッセージ=警告メッセージだとしたら、
事件を追究するラミヒの物語は、プラスメッセージ=応援メッセージなのだろうと思います。
連続殺人犯の映画を作りたかったわけではない。私が作ろうと思ったのは、連続殺人犯も同然の社会についての映画だった。イラン社会に深く根付いている女性蔑視(ミソジニー)の風潮は、宗教や政治が理由というわけではなく、単純にそういう文化として存在している。女性蔑視は、国に限らず、人々の習慣の中で植え付けられる。イランには昔から、女性を憎むべき対象とする考えがあり、差別というかたちになって現れることも少なくない。それがありのままに描かれているのがハナイの物語だ。だからこそ、彼の物語を伝えるならば、賛成から反対意見まで、イラン社会には様々な意見が行き交っていることを示す必要があったのだ。
サイード・ハナイは加害者であり、被害者でもある。イラン・イラク戦争では、兵士として青春時代を国に捧げた。国はより良くなり、意義深い人生になると思ったのだろう。しかし、そこで彼が気づいたのは、戦争で身を犠牲にしたところで何も変わらず、社会にとっては自分はどうでもいい存在であるということだった。彼は自分の存在意義を失うも、神を信じることはやめなかった。ハナイはモスクに通い、礼拝堂で涙を流す。そこで彼は、アッラーからの使命という新たな目的を見つけるのだ。
『聖地には蜘蛛が巣をはる(映画)』はイランの実話がモチーフ 気になるキャストは? 監督は?
『聖地には蜘蛛が巣をはる(映画)』を創った監督は、アリ・アッバシ。
1981年生まれのイラン人です。
スエーデンの大学建築を、デンマークで映画を学んで、北欧を拠点に映画を創ります。
『マザー』『ボーダー』で、
「私たちに潜む差別や優劣意識を白日の下に晒した」と言われています。
そして、今回初めて、母国イランを題材に映画を撮りました。
デンマーク・ドイツ・スウェーデン・フランス合作映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』です。
けれど、当の母国イランでは、この映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』の撮影許可は下りず、
やむなく、ヨルダンのアンマンで撮ったそうです。
また、主人公ラミヒを演じたザーラ・アミール・エブラヒミは、
やはりイラン人でありながら、
女優としての成功をおさめていた2008年、
スキャンダルの被害者になり、被害者なのにフランスに逃れざるを得なかった、という人です。
これは、彼女が演じる果敢な主人公ラヒミと完全に重なります。
主人公が直面する不条理への怒りに基づく鬼気迫る演技で体現、その素晴らしい演技は、彼女に受賞という大きな栄誉をもたらした。
と評されています。
2022年カンヌ国際映画祭で女優賞をk悪徳しました。
ハナイ役は、メフディ・バジェスタニ。
もともとイランの人気俳優だそうで、
この映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』でも高い評価を得ています。
この映画が世に出た後も、イランで活躍しているのでしょうか。
もしや外国に?と心配になりましたが、動向がわかりませんでした。
『聖地には蜘蛛が巣をはる(映画)』は実話 その舞台イランってどんな国?この映画を製作・公開する意義は?
2022.10.26
イランで一人の女性が急死しました。
ヒジャブ(頭部を覆うかぶりもの)のつけ方を巡って警察に拘束され、
次の日解放された直後のことでした。
この事件を機に、
イランの人々の政府に抱く不満が爆発。
デモが各地で勃発し、連動し、収まる気配を見せませんでした。
「女性 命 自由」
イランの人々が掲げたプラカードに、その要求は集約されています。
人々は、暴力を受け、拘束され、処刑されても、抵抗を続けています。
オリンピックで、ヒジャブをまとわず協議に参加した女性選手、
ワールドカップで、イランの政策を無言で批判を意思表示したサッカー選手、
拘束を恐れず、SNSで顔を出して「女性 命 自由」と掲げた女優。
『聖地には蜘蛛が巣をはる』の舞台となっている国イランは、
「イスラム教の国」とくくることができると思います。
イスラム教が行政・司法・刑法を超えた存在です。
イスラム教の国々が、その教えを根拠として醸成されてしまったミソジニー(女性嫌悪・蔑視)が、様々な問題を生んでいます。
人権問題はもちろんのこと、経済問題、スポーツ・芸術・科学の進展についての問題、
このすべての問題を打開していく基盤である教育問題も、
女性の権利を制約したり認めなかったりすることによって起こっている、と言っていいと思います。
この映画『聖地には蜘蛛が巣をはる』は、こうしたイラン社会を、
広く世界に知らせるために創られた映画群のひとつです。
イランにルーツを持つ監督・俳優たちが、
イランと世界と、女性とマイノリティを支えようとする各国の制作陣とともに、
危険を承知で、世界に知らせる意義を優先して作った映画です。
「イランの精神的中心」とも呼ばれるイラン第二の都市マシュハド。
イスラム教の聖地で繰り広げられる、敬虔な教徒である犯人とひとりの女性ジャーナリストの攻防。
問題を抱えるイランの、問題を象徴するかのようななふたり。
そのふたりの物語は、世界に何を伝え、何をもたらしえるのか。
それは、一線を超える 『聖地には蜘蛛が巣をはる』公式サイトより
人間の深淵に潜む狂気を極限まで掘り下げたとき、私たちは何を見るのか――。緊迫感途切れぬ衝撃のクライム・サスペンスが誕生した。
『聖地には蜘蛛が巣をはる』公式サイトより
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