BL、ボーイズラブのコミックや映画・ドラマが、
アジアを中心に世界中で市民権を得て、「普通」に楽しまれています。
『泣いたり笑ったり』という、ここでご紹介したいイタリア映画も、
大きくはこのBLカテゴリに入るのでしょうか。
『泣いたり笑ったり』=『An Almost Ordinary Summer』は
まさに、全編通じて、笑ったり笑ったり笑ったり、、、、。
コメディ映画の神髄のようなやりとり。そして、ラストにほろり、です。
邦題が『泣いたり笑ったり』になったのもうなづけます。
一方、この『泣いたり笑ったり』の原題は『An Almost Ordinary Summer』。
An Almost Ordinary Summer=まあまあ普通の夏、という感じでしょうか。
「2家族の、父親同士の結婚」というストーリーも「An Almost Ordinary=まあまあ普通」だと。
こんな世の中ならどんな特徴をもった人も過ごしやすいだろうな、と思えます。
どこの家族にも、問題がありながら、どう見えても愛でつながってますよね、という
家族愛の物語、とも言えるのかなあ。
『泣いたり笑ったり』=『An Almost Ordinary Summer』イタリア映画、コメディ。BL?
家族愛の物語?
いやいや、LGBTQ+の皆さんの人権、全てのマイノリティの人権を訴える社会派映画?かも
大いに笑って、なんかほっこり。
してみませんか。
『泣いたり笑ったり』(イタリア映画・コメディ)は大笑い後ほっこり泣ける 配信はある?
残念ながら、2023.1.30現在、どこからも配信されていません。(-_-;)
日本国内でも、スマッシュヒットと言える作品。
同性婚ストーリに「orderly=普通」とつけた、タイトルセンスとメッセージ性。
スカッと笑えて、家族愛にほっこりできる良作ゆえ、
需要あると思います。
配信各社の皆さん、お願いします。
『泣いたり笑ったり』イタリア映画 同性婚コメディ まだ観られる?2023.1.30現在の上映館一覧
とりあえず、2023.1.30時点で、まだ、7館上映中。
1.栃木 小山シネマロブレ
2.長野 上田映劇
3.福井 福井メトロ劇場
4.徳島 ufotable CINEMA
5.佐賀/鳥栖 シアター・シエマ
6.佐賀/別府 別府ブルーバード劇場
7.宮崎 宮崎キネマ館
お近くに
名作を扱ってくれるミニシアター、
リバイバル名作上映をしてくれるシネコン
ありませんか?
是非リクエストお願いします!
イタリア映画『泣いたり笑ったり 原題/An Almost Ordinary Summer』 ストーリーは?ほぼほぼ普通の夏ってどんな夏??
『泣いたり笑ったり 原題/An Almost Ordinary Summer』
キャッチ子コピーは、
「セレブ紳士トニ×海の男カルロ 一筋縄ではいかない恋のゆくえは?」となっています。
舞台はイタリアの海辺の別荘地。時はバカンスの夏。
主な登場人物は、裕福なカステルヴェッキオ家と、代々漁師のペターニャ家。
この両家、価値観も家族観も、両極と言えるほど対照的。
共通点と言えば、両家ともシングルファザー、ということ。
この2家族が、唐突に顔を合わせ、互いの振る舞いに驚きながら、てんやわんやの大騒動。
典型的なコメディって感じ。
観ているこちらは、無条件に笑って、すっきりできます。
が、ここで、この対照的な2家族が鉢合わせしたのには訳がありました。
シングルファザーの両家の父親が、結婚したいというのです!
ふと、『泣いたり笑ったり』がBLだとしたら
こんな設定今まで観たことないなあ、と思いました。
同性婚をしようとしている二人の、どちらもが、家族を持っています。しかも孫までいて。
それに、『泣いたり笑ったり』がラブストーリーだとして、
イタリア映画の特徴だと思っていた、開けっぴろげでおおらかな愛の表現がない、のです。
繊細で、あたたかで、ゆっくりと、
互いに、互いの、自分にはない部分を、愛していることが静かに伝わってくる感じ。
といって、閉鎖的というのではなく、観ているこちらの気持ちが解放されていくような感じです。
日本人の私が観ても、こっぱずかしい、なんてまるでなくて、
ああいいなあ、とつぶやきたくなる良作です。
その上、一見ショッキングなキャッチコピーで同性婚映画と思いきや、
イタリア映画『泣いたり笑ったり』は、家族の愛の物語が、その中心なのではないかと思えます。
大笑いして引き込まれていき、なんだかほろりとさせられます。
さらに、もともとシモーネ・ゴダノ監督がつけたタイトルが
『An Almost Ordinary Summer』って。(爆笑)
「どこが普通やねん!」「だから、だいたい、言うてるやろ。」なんて、
漫才風やり取りが浮かんでしましました。
「Ordinary=普通」という語を選んだことに敬服します。メッセージを感じてしまいます。
愛し合う人同士が結ばれることが「普通」であるような社会、阻むものがない社会、いいですよね。
そして「Ordinary=普通」に「Almost =まあまあ、だいたい、ほぼほぼ」をつけるなんて。
現実、そうそう甘くはないし、マイノリティは生きづらいのも事実でしょう。
でも、そんな現実にいきり立つのではなく、ふわっと提案、という感じのこのタイトルに、
私は、余裕とユーモアを感じちゃいました。
イタリア映画『泣いたり笑ったり 原題/An Almost Ordinary Summer』キャストは?
『泣いたり笑ったり 原題/An Almost Ordinary Summer』、
このイタリア映画が、ちょっと稀有な存在になったのは、
主演のふたりに拠るところが大きい気がします。
身勝手で家族を泣かせてきたインテリ紳士トニはファブリッツィオ・ベンティボリオ。
亡き妻を愛し息子に尊敬される海の男カルロはアレッサンドロ・ガスマン。
ファブリッツィオ・ベンティボリオは、74歳。
私的な見解ですが、田村正和+タモリ、という感じ。
端正で、知的で、上品。そしてユーモアを併せ持つ、成熟した紳士、というイメージです。
役柄、というよりそういう方なのではないか、と思えます。
アレッサンドロ・ガスマンは、57歳。
ケビン・コスナーをひとまわりたくましくした感じ、と言いますか、
たくましくてセクシー、でも下品とか粗野な感じがみじんもないような。
素敵!!としか言いようのない感じです。
どちらも、イタリアを中心に活躍していて、
映画・ドラマともに、出演作品多数のようです。
「受賞歴」という項目が成り立つほど、評価の高い俳優さん達でもありました。
現代のイタリア映画、あまり見ていなかった、と気づきました。
『泣いたり笑ったり 原題/An Almost Ordinary Summer』は、
イタリア映画観なくちゃ、と思えた作品でした。
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