ビートたけし『アナログ(小説)』映画化!キャストにも注目集まる 文庫化も決定

喫茶店「ピアノ」
毎週木曜日
アナログな恋

激しい感情表現がひとつもない。
けれど、読む者の心を揺さぶり続け、温め、わしづかみにする。
もどかしさと、なつかしさと、うらやましさと、安堵が次々去来する。

ビートたけしの2017年発刊の恋愛小説『アナログ』がついに映画化されました。
2023年6月公開予定です。

「読み終わったとたん、エンドロールが浮かびました」
と、読後感想を語るファンがいるくらい、
読んだそばから、頭の中に映像が立ちのぼり、一本の映画を観終えた感のある小説。

作者ビートたけしは、映画監督北野武として何本もの映画を創っているのだから、
当然のことなのかもしれません。

ビートたけしの小説『アナログ』を読み終えたとたん、
「映画化したい!!」
と切望した本作監督のタカハタ秀太が、
「読みながら顔が浮かんでいた」
という二宮和也を主演に迎えて映画化を実現。

映画『アナログ』ができました。

 

ビートたけしに『 アナログ(小説)』を書かせたものは? 本人異例の恋愛小説 評価は?

ビートたけし、としては珍しい恋愛小説ではないでしょうか。

内容もさることながら、
ビートたけしに『アナログ』を書かせたものが何か知りたくなりました。

「ビートたけし、書籍、一覧」で検索したところ、
216冊の本が並びました。
「ビートたけし」を題材にした、他の著者の作品はありません。
対談や共著はあるものの、どれも「ビートたけし」あるいは「北野武」を著者とした本です。
e-bookを加えたら300はくだらないと思います。
これほど多作の方とはつゆ知らず、
この間に何本もの映画を撮り、絵をかき、オブジェを作り、コンサートをし、、、
改めて、ビートたけしの創作の才能を実感します。

216冊の本のほとんどはエッセイです。
小説、しかも恋愛小説と呼べるのは?何冊でしょう。1、2、、、ん?
ほとんど書いていません。
そのビートたけしが、70歳で書き下ろした恋愛小説『アナログ』。

ビートたけしは、

「誰かを思う気持ちが書きたくなった」             (ビートたけし談)

からだと言い、それが『アナログ』を書く動機になったと語ったようです。

慌ただしく目まぐるしく変わっていく社会。
スマホによる24時間のつながり。
直接的でコンビンエンスな心情の吐露。
言葉にしない思いは、発酵する時間も与えられないような世界。

こうした世界や社会へのアンチテーゼとして、
ビートたけしは、
数あるツールや表現形態の中から「恋愛小説」を選んだんですね。
意外でした。

そして、小説『アナログ』を読むと、うなづけるのです。

自分のことを何も語らないばかりか、スマホさえ持たない女性。
手作りや手書きにこだわるデザイナーの主人公。
1分間に100往復もするような言葉の応酬などもちろんなく、
週に一度、木曜日だけ、約束もなしに会う二人。
喫茶店。
店名は「ピアノ」。
流れるのは、ショパン?シューベルト?ドヴィッシー?
外は雨でしょうか。

静かな、滑らかな、吐く息がほのかに色づくような時間。

言葉でつむぐこの『アナログ』が描く、画、空気、時の流れ、香り、音、、。
原題の社会から失われつつある、この美しさは、
「恋愛小説」でこそ、ビートたけしでこそ描けるものだと思えます。

この小説『アナログ』を
ビートたけしは、ノートに、手書きで書きあげたそうです。

手書きの緩やかさから、
ノートの伸びやかさから、
まさに「アナログ」のアプローチで、
ビートたけしの小説『アナログ』は生まれたのでした。

2017年6月集英社から発刊された、ビートたけし『アナログ』の帯には次のような言葉があります。

愛するってこういうことじゃないか         (単行本『アナログ』帯より)

ビートたけし『アナログ』は、発刊から1か月で10万部以上を売り上げたと言います。

 

ビートたけし『アナログ(小説)』 映画化されるわけは? 世界観にぴったりのキャストとは?

ビートたけし『アナログ』は、全編通じて画が浮かぶ作品です。
「読み終わって、エンドロールが見える作品」と言った人もいます。
私には、ピアノのメロディや雨音といった音も聞こえました。
コーヒーの香りや、二人を包む温度のようなものまで感じました。

監督は、読み終わってすぐに映画化を切望したそうです。

画、音、色、空気感、時間の流れ、、、
ビートたけし『アナログ』は映画でこそ表現すべき作品で
映画になるべくしてなった作品です。

そして、この『アナログ』の世界を描き出すキャストは、
二宮和也。
そして、波留。
映画『アナログ』公式サイトのキャスト欄には二人の名前だけです。

二宮和也は、
監督:タカハタ秀太が、
ビートたけしの小説『アナログ』を読んでいるときから、頭の中で動いていたそうです。
監督のイメージがそのまま実現しました。
また、二宮和也と波留とは初共演ということです。
作品中の主人公:水島悟は、「ピアノ」で初めて美春みゆきに会います。
二宮和也と波留もまた、この作品で初めて会うわけです。
この重なりも、作品にリアル感を与えるのではないか、と楽しみです。

タカハタ秀太監督の公式サイトに載っていたコメントをここに引用します。

「アナログ」が出版されてすぐ、これを二宮和也さんで映画にしたい! と切に思いました。
映画化をご承諾いただけたことは幸甚の至りです。
二宮さんと波瑠さん、初共演のふたりの撮影初日を見て、まさに〈悟とみゆき〉を感じました。

タカハタ秀太監督は、上質なドラマを丁寧に描く、と評判です。

 

ビートたけし『アナログ』 映画の のあらすじは? ネタバレ若干

自分がデザインした喫茶店「ピアノ」に通う悟。
その「ピアノ」で木曜日にだけ顔を合わせる女性みゆきに心惹かれる。

思い切って声をかけるが
みゆきは素性も連絡先も語らない。
スマホも持っていない。
そして、こう言う。
「お互いに会いたいという気持ちがあれば、絶対に会えますよ」

何も約束しないまま、
いつしか、一週間に一回木曜日にだけ会うようになる。

愛の告白も、未来の約束もないまま会い続けた後、
ふいに、みゆきは「ピアノ」に訪れなくなる。

みゆきはなぜ「ピアノ」に来ないのか。来なくなったのか?
悟の思いは?
ふたりのその後は?

ビートたけし『アナログ(小説)』は文庫本も出ている?

ビートたけし『アナログ』、
集英社から文庫版も出版されます!
2023.6.20.発刊予定だそう。

だれのどんな言葉が帯を飾るのか、装丁はどうなるのか。映画の画像は使われるのか。

こちらも
映画『アナログ』とともに楽しみです。

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