映画『Winny』主役(金子勇役)に東出昌大?!
私、驚きました。
芸能界を追われる形で姿を観なくなった東出昌大が主役の映画?という驚きです。
でも、
Winnyって何?
金子勇ってだれ?
調べ始めたら、とてつもなく大きなテーマ性をもった作品でした。
驚きは増しました。
世界を揺るがし、
日本の価値観を変え、
未来を担う若者たちに道を拓く、
映画『Winny』はそんな作品です。
しかも、実名で描かれる実話なのです。
『winny』 映画 winnyって何? 若き天才プログラマー金子勇の登場
winnyは
「2002年に発表されるや否や爆発的に普及したファイル共有ソフト」だそうです。
専門家曰く「Googleより早く、Googleが今なしえていることをしていた」のだそう。
音楽や動画などのデータを、瞬時にダウンロードしたりアップロードしたりでき
また、簡単に複数のサーバを介すことができるので匿名性も高かった、というソフトです。
この「データ転送の速度の驚異的な速度と匿名性の高さ」と
このソフトウェアwinnyの開発を、
「たった一人の、31歳の研究者が、たった一か月で成し得た」という事実が
デジタル業界のみならず、学術界、一般ネットユーザーを驚かせたのだそうです。
『winny』 映画で描かれる、実在のwinny事件とは?
『winny』という映画タイトルにもなった
驚異的な性能を有したwinny(ソフトウェア)が、「事件」になります。
winny事件とは、いったいどんなものでしょう。
2002年、発表と同時に学初的に普及したwinnyですが、
2004年、突如として、開発者金子勇が逮捕・起訴され、有罪判決を受けます。
「著作権法違反幇助」の罪です。
ソフトウェアwinnyは、その優れたデータ転送性と匿名性のため、
映画や音楽といった商用のデータを違法にコピーし売買する、といった違法行為をするユーザーが出てしまいます。
果ては、コンピュータウイルスをwinnyによって拡散する、という犯罪まで登場したそうです。
こうした犯罪に関わった人々が、罪に問われるのは当然のことです。
しかし、このとき、日本の警察・司法はというと、
ソフトを悪用した者でなく、
ソフトを作ったプログラマーに「悪意があった」として逮捕し、有罪としたのです。
それは今でいうなら
「YouTubeに著作権違反の動画がアップされるたびにYouTubeの経営者が投獄されるようなもの」
だそうです。
winny開発者金子勇は、地裁で150万円の罰金刑となりなります。
「出る杭は打たれる」という日本の悪しき伝統そのものだと、
winnyと金子勇の関係者は語っていたそうです。
『winny』 映画の主人公 金子勇ってどんな人?
winny開発者金子勇は、この有罪判決を不服として控訴します。
金子勇が闘争的な人物だったか、といえば、決してそうではなかったようです。
「金子さん自身は争いごとが大嫌い。そのまま罰金刑を受け入れてもいい、と思っていた。でもきっと、後に続く人たちが困る。それで闘う決意をしたんです」
これは、winny事件と金子勇を映画にしようと企画した古橋智史のことばです。
『winny』映画の主人公となる金子勇は、1970年生まれ。
小学生の頃からプログラム技術に興味を持っていたそうで、
高校生の時(県立栃木高校在学中)、すでに「第一種情報処理技術者試験」に合格したと言います。
その後、茨城大学工学部、東京大学大学院、東京大学情報基盤センターと、研究一筋。
金子勇を知る人は口をそろえて「発想の天才だ」と言うそうです。
ネット上で入手できる画像では、ふっくらとした面持ちに眼鏡。
「温厚」という言葉にぴったりな風貌。
逮捕・有罪判決を受けてなお、彼の裁判のために3週間で1600万円の裁判資金が集まった、
というエピソードもうなづけます。愛されていたのです。
また、開発の仕方からも彼の人柄がしのばれます。
徹底したユーザー主義だったようなのです。
winnyは、開発段階で、試作品を2チャンネルに公開し、
見ず知らずのユーザーからの意見でどんどん改良を重ねたと言います。
彼にとっては、自分が偉業を成し遂げたなんてことより、
ただ、ただ、一般ユーザーに簡単操作で可能性を広げられるツールを提供したかった、のでしょう。
金子勇31歳、まだ試作段階とも言えたwinnyが世界を席巻します。
そして33歳、突如として逮捕され、有罪判決を受け、
それからの7年間、まさに研究者としてもっとも活躍できるはずの7年間を、裁判に費やされます。
40歳、やっと、無罪判決を勝ち取り、開発者の権利を守る判例をのこして、研究に復帰。
そして、直後、41歳の誕生日を迎えた5日後(2011.7.6)、心筋梗塞で亡くなります。
関係者は
「日本にとっての大きな大きな損失だ」と言い、
「彼が生きていたら、裁判に忙殺されていなかったら、日本にこそgoogieが生まれ、YouTubeが生まれていただろう」と言います。
『winny』映画を企画した古橋智史は、映画化を模索する過程で、
金子勇の盟友だった明石昌也に出会います。
その明石が、研究者金子勇を、人間金子勇を、短く的確に語ったそうです。
私利私欲にほだされず、ものごとに動じない。他人の悪意に無頓着で、細かいことはあまり気にせず、そして子どものようにプログラミングに熱中した男。
『winny』 映画化までのいきさつは? 全国公開2023.3.10に
winny事件と金子勇を、『winny』という映画にしたのは
古橋智史という若きIT系ヴェンチャー企業の経営者です。
古橋智史は、金子勇の18歳下。
金子勇の熱烈なフォロワーであり、
金子勇の遺志を継ぎ
「
その実現へのアプローチとして、古橋智史は、
『winny』という映画で表現しようとしていました。
金子勇の功績を世に出そうとする様々な試みの中でも、それは異彩を放っていたようです。
2016年、脚本を書き始めた古橋智史に手を差し伸べたのが、金子勇の盟友:明石昌也。
金子勇の人柄や研究姿勢、winny事件の経緯をつぶさに取材できました。
また、7年にわたる裁判を支え、無罪判決を勝ち取った弁護士:壇俊光とも会い
この7年に、金子の人柄と研究とその意義を集約して伝えようと決めます。
そして『winny』映画が、大きく実現にシフトしたのは2018年の「ホリエモン」万博だったそう。
予選で映画作りの資金と公開資格を獲得し、
「ホリエモン万博」内の映画祭でグランプリを獲得。
2023.3.10
金子勇を慕い、惜しむ(金子は無罪判決直後41歳の若さで死去)フォロワー古橋智史によって
winny事件は、映画『winny』となり、
いよいよ、全国公開となったのです。
『winny』 映画のあらすじは? ネタバレあり キャストに東出昌大!!
『winny』映画は、
金子勇が逮捕されるところから始まります。
そこから7年かけた無罪判決を勝ち取るまでの実話です。
殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか——。
技術者の未来と権利を守るため、
権力やメディアと戦った男たちの真実の物語。
『winny』映画の公式サイトにあった、キャッチコピーです。
出る杭が打たれ、
知らないものは怖いものとして蓋をされてしまう日本社会のありように、
一石を投じる物語、実話です。
『winny』映画の企画者古橋智史は、映画のテーマをこう言います。
「出る杭が打たれない社会」つくり
そして、金子勇の姉役を演じる吉田羊が、この映画の意義をこう伝えます。
今や世界中で利用される技術を日本人が先駆けて開発していた。それが成熟し実用化される未来が何故消えたのか。この映画を一人でも多くの方に観て頂くことが、今後産まれくる新たな才能を守る後押しになる気がしてなりません。
この意義深い『winny』映画は、
主人公:金子勇を
東出昌大が演じます。
東出昌大は、
金子勇を演じるにあたり、7kg増量してクランクインに臨んだそうです。
公開されている画像は、金子勇=東出昌大が自宅で逮捕されるシーンのようですが、
金子勇本人によく似ています。
東出昌大の俳優としての真摯な姿勢を感じるし、
『winny』映画への期待が増しました。
『winny』 映画 東出昌大以外のキャストは?
主役東出昌大を支えるのは
重厚な俳優陣です。
無罪を勝ち取る弁護士:壇俊光役に三浦貴大。サイバー犯罪専門の弁護士役。自ら名乗り出て金子勇の無罪を勝ち取りました。
その他
実在の、組織に屈しない警官:仙波敏郎役を吉岡秀隆。
金子勇を不当逮捕する刑事:北村文也役を渡辺いっけい。
金子勇弁護団の中心的弁護士:秋田真志役を吹石満。実在。
金子勇の姉は吉田羊が演じます。
監督は松本優作は、次のようなコメントで、
『winny』の物語と映画そのものの役割を語っていました。
映画という文化は、ある時代の中で、埋もれてしまった場所に光を当てることだと思います。未だ世間にさらされていない金子勇という天才技術者と、彼を支え、共に戦った壇さん始め弁護団の皆様が生きた時間に、私は光を当てたい。この映画が、わたしたち人間が、より自由に、平等に生きてゆくための試金石となることを願って。
『winny』 映画 上映の映画館は? 舞台挨拶に東出昌大は出る?
『winny』映画は、全国135館で、2023.3.10、一斉公開です。
「Winny theater」サイトで確認ができます。
135÷47=2.87・・・・ですから、
ひとつの県で3館弱。
関東に集中気味であることを考えると、ユーザーさんの県では上映されない、なんてことも。
ちなみに地区別では
北海道地区3館
東北地区7館
関東地区50館
中部地区30館
近畿地区20館
中国・四国地区11館
九州・沖縄地区14館
となっていました。
舞台挨拶は、先行上映のTOHOシネマズだけだったようです。
舞台には、久々の東出昌大はじめ、三浦貴大、吹越満、監督・松本優作が登壇したそうです。
一斉公開となる2023.3.10も、どこかにシークレット登壇する可能性あり、だそうです。
『winny』 映画はdvd化されている?
まだ、dvdにはなっていません。
「winny dvd」で検索すると
『コンフィデンスマンJP』『寝ても覚めても』『ごちそうさん』など、
東出昌大の出演作品が並びます。
この映画『winny』こそ、dvd化して残してほしいものです。
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