『のぼうの城』は、
2012年の公開時、
①意外なのに、はまりすぎなキャスティング
②実話とは思えない奇想天外でハートフルなストーリー
③壮大なスケールとそのスペクタクル
の3つで、公開期間と公開館が伸びに伸び、ロングランになりました。
コロナが収束しつつある今こそ
「再演してくれー!大スクリーンで観たいよー!」
という映画なのです。
そうそう、大爆笑必至なので、
遠慮なく爆笑できるお家で、お子さんと一緒に鑑賞するのもおすすめです。
『のぼうの城』モデルはあるの?場所は? 実話です!!
『のぼうの城』にはモデルがあると言います。
モデル、どころか、ほぼ実話というから驚きです。
映画『のぼうの城』は、
脚本家和田竜(りょう)の出発点であり、出世作でもあります。
戦国時代末期、秀吉時代の物語。
現在の埼玉県行田市にあった忍城(おしじょう)の実話。
『のぼうの城』では、この実在の忍城の当時を実に忠実に再現しているとか。
なんともみすぼらしい汚城です。(あら失礼。とはいえ、関東7名城のひとつです。)
物語の主人公は、この忍城の城主、ではなく、城代、ですらない「城代の息子」。
しかも、叡智に優れることこの上なし、
どころか「でくのぼう」と領民たちから笑われる存在だったというから驚きます。
ただしこの「でくのぼう」、笑われていますが、慕われてもいたようで、
そう『のぼうの城』は「でくのぼう様のお城」というわけ。
実際、成田長親は「でくのぼう」転じて「のぼう様」と呼ばれていたそうです。
この「のぼう様」こと成田長親は、
すでに他国に出陣していた忍城主成田氏長、に代わる城代成田泰季が病気になったために、
代打の代打、城代代?として、
なんと時の権力者豊臣秀吉に遣わされた石田三成軍約3万を迎え撃つことになります。
ちなみに、このときの成田長親軍は3000人。(石田三成軍の1/10、兵士だけなら1/60)
しかも難を逃れて城に入った領民と合わせて、です。
どうする長親?!!
この合戦までが、なんとものどかでほほえましい、戦国時代と思えない忍城下の風景。
皆がよく笑い歌い働き、誰に遠慮することなくのびのびと語らいます。
が、一転、危機!!
客観的には勝ち目なく、死の恐怖に追い込まれる忍城の人々。
城主は兵力のほとんどを連れて出兵中、城代(父)は病床。
で、「のぼう様」の本領発揮!
大スペクタクルで繰り広げられる『のぼうの城』の戦略がみものです!!
実はこの小さな忍城が、
関東7名城のひとつになっているのは、この物語=実話が所以です。
この戦い以来、『のぼうの城』=忍城には、別名がついています。
その名も「浮き城」です。
さてさて成田長親、いかなる戦法に?
『のぼうの城』モデルは「でくのぼう」、キャストは? はまり役ばかり!!
映画『のぼうの城』、キャスティング誰!?天才!
いや、俳優さんたちの演技力?
とにかく、これ以上は考えられなくなるほどぴったりなんです、キャスト陣。
主役の成田長親「のぼう様」に野村萬斎。
飄々とした風貌と、能特有の間なのでしょうか、コミカルなせりふ回し。
敵味方の目をくぎ付けにする華ある姿。
危機に際しても、周りを笑いに巻き込む胆力。
圧巻のクライマックスは、狂言師ならではの見せ場!!
甲斐姫には榮倉奈々。
城主の娘で、美貌にして勝気は男勝り。
時代劇初挑戦という触れ込みでしたが、たしかにいい違和感。(笑)
だって、戦国時代にあんな手足の長いお嬢さん、て。
でも、それが現実味の要素、引き込まれる要素になっていると思いました。
榮倉奈々の存在が、遠く400年も昔の物語に、
違和感なく、現実の今起こっててもおかしくない日常の既視感をもたらしているんです。
飾り気なくあっけらかんと笑う姫君が、追い詰められた城内を癒す!
それから、芦田愛菜。
撮影当時7歳か8歳のその愛くるしさよ!
城下の農民の娘役で、その笑顔で籠城した民や兵士たちに元気を与える存在。
その他、佐藤浩市、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、前田吟、中尾明慶、尾野真千子、ピエール瀧、西村雅彦、鈴木保奈美、平泉成、夏八木勲。そして豊臣秀吉に市村正親。
さらにさらに、なんてったって、抜群によかったのはナレーション、安住紳一郎!!!
いかがです?
歴史のお好きな方は、俳優さん方のお顔を浮かべながら、配役を予想して
答え合わせに『のぼうの城』をご鑑賞ください。
意外!とか、ぴったり!とか、そうきたか!とか、
いろいろな感想が浮かぶと思うのですが、最後には、
こんな絶妙なキャストがよくぞできました、と思うに違いありません。
(興行収入28億円超え、なるほど、です。)
『のぼうの城』モデルは実在成田長親(野村萬斎)?どんな人?あらすじは?
映画『のぼうの城』実在の主人公、成田長親は、
舞台となる、これまた実在の「忍城(おしじょう)」の城主、ではなく。
城主の不在時の代わりを務める城代、でもない城代の息子です。
そんな気軽な立場ゆえか、
のんきでおっとり、何をやっても不手際だけど憎めない人たらし。
『のぼうの城』の主人公成田長親(野村萬斎)は、
農作業を手伝おうと申し出るものの、むしろ手がかかる。
足手まといなお侍なのだが、どうも、彼のいるところ、笑いと歌にあふれる。
歌いながら、みんなが揃って、楽しく作業がはかどってしまいます。
手がかかり役立たずの「でくのぼう」なのですが、
自然と城下の民は「のぼう様」と親しみを込めた敬称で呼ぶようになる、というキャラクター。
こんな笑いと歌にあふれた、活気のある豊かな城下を、
時の権力者豊臣秀吉(市村正親)は放っておきません。
信頼する家臣石田三成(上地雄介)に命じて、
確実に陥落させる策を講じます。
城主成田氏長(西村雅彦)には、北条の戦に加勢させ、
留守を守る城代で主人公長親の父泰季(やすすえ 平泉成)は病床。
そこを狙いすまして攻め込みます。
強硬派の父は病床から打って出ることを指示しますが、死去。
代わりに城代として指揮を執ることになった主人公成田長親(野村萬斎)は、
領民たちを全員城内に避難させ、兵士500人と合わせ3000人で籠城することを選択し、
なんと徹底抗戦を宣言します。
そして、、、、、!!!
『のぼうの城』キャッチコピー
「20,000人 VS 500人 豊臣軍にケンカを売った、でくのぼうがいた。」「この男の奇策、とんでもないッ!」
是非とも、映画『のぼうの城』で、ご堪能ください!
『のぼうの城』モデルは現行田市忍城、小説が原作?作者は?漫画化も?
映画『のぼうの城』、モデルは現在の埼玉県行田市の忍城(おしじょう)の物語。
実際の豊臣秀吉=石田三成軍の水攻めを、
奇策で迎え撃った忍城、成田長親と領民の物語。
これを、大スペクタクルの映像で映画化し、
大笑いしながら明日に踏み出す勇気をもらえる物語に仕立てたのは、
和田竜(りょう)。
和田竜の脚本家としてのデビュー作がこの『のぼうの城』。
2003年『忍ぶ城』として発表したこの脚本が、映画『のぼうの城』になりました。
映画『のぼうの城』は興行収入28億円越えという結果を受けて、
和田誠本人によって小説化され単行本として出版されます。
さらに、好評を得て、文庫化され、オリジナル完全版脚本としても出版されます。
そして、とうとう、2009年『のぼうの城』漫画版となり、
さらにフアンを増やしました。
2013年にはブルーレイDVD化されています。
請う、ご鑑賞!
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