話題満載のハリウッド映画『ブレット・トレイン』。2022.9.1公開。
原作は、日本が誇る人気作家伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』。
原作『マリアビートル』は、日本人が登場する日本が舞台のお話です。
ですが!
映画『ブレット・トレイン』、主演は世界のブラピ様。
ブラッド・ピットさん以外の主要キャストも、
日本が誇る真田広之さんを含め、すべてハリウッドの俳優さんたち。
そのルーツを欧・米・アジア・アフリカにもつ、多彩な顔触れです。
本の世界からスクリーンへと、スケールアップしたというわけでしょうか。
映画『ブレット・トレイン』は
伊坂幸太郎さんならではの、緻密にしてコミカルに描かれるミステリー小説とも言える『マリアビートル』が、
スタントマン出身のデビット・リーチ監督で、アクション大作のハリウッド映画『ブレッド・トレイン』に変貌!
さて、映画『ブレット・トレイン』、どんなえいがなのでしょう。
映画『ブレット・トレイン』のタイトルの意味は?
ハリウッド映画『ブレット・トレイン』。
映画のタイトル『ブレット・トレイン』は、英語表記なら「Bullet Train」。
日本語直訳で「弾丸 列車」でです。
「弾丸のような超特急 列車」=「新幹線」でしょうか。
そのタイトルの通り、映画『ブレット・トレイン』は、
新幹線と思しき列車の、始発から終着駅までの2時間半ほどに繰り広げられる物語。
新宿発京都行きの新幹線「ゆかり」で行われる、殺し屋たちの息もつかせぬ知能戦と肉弾戦です。
映画『ブレッド・トレイン』では、弾丸のように走るのは新幹線だけではなく、
その派手なアクションも、弾丸よろしく、ハイスピードでノンストップに走ります。
迫力満点な、ハリウッドらしい!と声を張り上げたくなる映画です。
それにしても、なぜ彼ら(名うての殺し屋たち)が、選りに選ってこの「ゆかり」に乗り合わせたのか。
何を目的に殺し合っているのか。
映画『ブレッド・トレイン』、気になりませんか。
映画『ブレッド・トレイン』の魅力は? 原作が伊坂幸太郎さんのあれ!『マリアビートル』
伊坂幸太郎さん、新幹線、殺し屋とくれば?
『マリアビートル』
映画『ブレット・トレイン』の原作は、『マリアビートル』。
伊坂幸太郎さんの小説『マリアビートル』は、日本では2010年出版され、
すでに海外でも翻訳され出版されていました。
英語版の題名が『Bullet Train(ブレッド・トレイン)』です。
伊坂幸太郎さんの小説『マリアビートル』が、
ハリウッドで映画化されるなら、当然『Bullet Trai(ブレッド・トレイン)』になるのですね。
では、『ブレッド・トレイン』の原作『マリアビートル』は、どんなお話でしょうか。
ちなみに「マリアビートル」とは「ナナホシテントウ」の別名だそう。
なぜ、この小説のタイトルが「マリアビートル」になったかは、ラストの手前で納得できます。
伏線回収は、伊坂さんのお得意です。
あ、あれもこれも、伏線だったのかーと、読後すっきり。
まず、超個性派揃いの登場人物をご紹介しながら、お話の概要をお伝えします。
七尾。原作『マリアビートル』の主人公。通り名は天道虫。「追い詰められたときの、やつの能力は計り知れない」とうわさされる殺し屋。とは言うものの、うわさがとても信じられないほど、ドジで、いや不運続きの「不運の女神に愛された男」。でも、「呼吸するように不運に見舞われ」ても、自分の不運をを嘆いてぼやきながら、切り抜けてしまう。今回依頼された仕事は、東京から東北新幹線「はやて」でひと駅の上野駅まで、スーツケースを運ぶだけ。「簡単な仕事」のはずだったのですが、、、
真莉亜。原作『マリアビートル』にはあまり登場しません。が、名前すら、伊坂幸太郎さんが張り巡らした伏線のひとつ。七尾の上司。裏の仕事の仲介者。七尾とは電話だけでやりとりしている。どうやら彼女こそ、腕のいい殺し屋?七尾の味方?傍観者?
木村。原作『マリアビートル』最初の登場人物。殺し屋だったが、今は警備員。アルコール依存症。中学生グループの犯罪をとめる。それが原因で一人息子をデパートの屋上から落とされる。息子はICUで生死をさまよっている。離婚し、ひとりでこの息子を育てていた。愛息の命を奪おうとした者を突きとめ、仕返しのために「はやて」に乗り込む。が、、、
王子。男子中学生。原作『マリアビートル』で最も多く描写されるのは、彼の頭の中。彼の解釈する「人」という存在の本質(?)。いじめも、恐喝も、殺しさえも、彼王子にとっては、自分の理論を証明する心理学的実験に過ぎない。自分をねらう木村の意図には気づいていて、逆手にとって木村を捕縛し利用する。木村だけでななく、七尾・檸檬・蜜柑が請け負った「仕事」の内容をも、彼らを観察することで見抜く。そして、翻弄し、殺し、自分の企みを果たすために利用する。その行動すべてが彼にとっては、緻密にセットした実験を実行したにすぎず、次々と仮説通りになることに優越感を得ている。読み手の嫌悪感を一心に集める人物。ラストには、、、
檸檬。殺し屋。蜜柑(殺し屋)とコンビで行動。闇社会の最高権力者峰岸の息子を、誘拐した組織から救い、身代金も取り返すのが「仕事」。それを果たして、盛岡にいる峰岸を訪れる途中。『機関車トーマス』をこよなく愛し、人生観の全てを『機関車トーマス』から得ている。出会う人間や出来事を全て瞬時に『機関車トーマス』の登場人物や出来事に置き換える。人物を見抜く力に長けている。原作『マリアビートル』では七尾に次ぐ愛すべきキャラクターとして描かれている。身代金が入っているスーツーケースを七尾に奪われ、列車内の抗争劇に加わることになるのだが、、、
蜜柑。殺し屋。檸檬とコンビ。無類の読書家で、周囲の状況や人物を鋭く分析し言葉で的確に表現する。計画的に事を進める。スーツケースを奪われていることに気づくが、探している間に峰岸の息子を何者かに殺されてしまう。息子の死とキャリーケース紛失。峰岸に気取られぬよう画策する一方、取り返そうとして列車内の抗争に巻き込まれていく。王子の妨害工作を見抜くのだが、、
狼。殺し屋。七尾に恨みを抱く。峰岸に依頼されて新幹線「はやて」に上野駅から乗り込む。上野駅で降りるはずの七尾が、降りるドアで鉢合わせし、、、
木村の父と母。実は、昔、コンビで優秀な殺し屋として恐れられていた。原作『マリアビートル』では最後に登場するものの、鮮烈な印象を放つ、魅力的なキャラクター。武士?職人?気骨で背骨ができているような人物。父の方は、悪人が臭いでわかる。孫をこよなく愛し、いきさつを隠そうとする息子のウソを見抜いている。息子と孫を助けるべく、水沢江刺駅からこの「はやて」に夫婦で乗り込み、列車内の抗争に参戦。王子と会った瞬間、「臭い!」と言い出す。極悪人だと見抜く。病院のICUにいる孫の元にも、昔のよしみで動く人間を派遣し、王子の差し向けていた殺し屋から助ける。列車内の息子、そして、主人公七尾を救うことはできたのか、、、
鈴木。塾講師。亡き妻の両親に会うために「はやて」に乗っている。個人的には、原作『マリアビートル』中、最も心惹かれたキャラクター。穏やかこの上なく、人の好さが体から漏れ出る。なぜか、皆、鈴木の前では、心に抱えた不安や悩みを打ち明けてしまう。王子の「なぜ人を殺しちゃいけないの?」という質問にも、淡々と穏やかに感情を交えず私見を述べる。口の達者な理論派中学生王子を、黙らせてしまう唯一の人物。伏線回収のラストに、意外な立場で登場するのでは?と思いきや、、、
スズメバチ。毒針を手段とする殺し屋。男女二人組。列車内で峰岸の息子を殺したのは、たぶんこの殺し屋だろうと、七尾は読んでいる。女の方は、車内販売の販売員として登場。男の方は登場しないが、盛岡駅で峰岸が殺されてしまった状況から判断して、車掌だったのでは、、、
映画『ブレッド・トレイン』の魅力的な原作『マリアビートル』も、映画鑑賞の前後に、是非一読なさること、お勧めします。
この原作『マリアビートル』。
デビット・リーチ監督は、どうアレンジしたのでしょう。
映画『ブレット・トレイン』の魅力ふたつめは? 豪華キャストの 派手で コミカルで 疾走感あふれるアクション! 情けなくもかわいいブラピ様
映画『ブレッドトレイン』は、
『デッドプール2』『ワイルド・スピード スーパーコンボ』のデビッド・リーチ監督が、
ブラッド・ピットさん主演で実写映画化しました。
ブラット・ピットさん以外も、真田広之さんや、サンドラ・ブロックさんなど、超有名俳優が出演。メンサ会員(IQ180とも)で日本人のマシ・オカさんも車掌役で登場します。
でも、映画『ブレット・トレイン』の魅力は、アクションでしょう。原作『マリアビートル』
主要キャストの皆さんを、原作『マリアビートル』名=映画『ブレット・トレイン』役名=俳優名の順に並べていきます。原作との違いなど、ミニ情報も加えます。
七尾=レディバグ=ブラッド・ピット
原作よりお気楽で楽観的。常に力みがない。追い詰められた状況でもユーモアは忘れないゆとりの持ばち主。レディバグの呼び名は、彼の人生そのもの。常にバグっている。アクションより、そのバグを期待してしまう。コメディアン・ブラピから目が離せない。
真莉亜=マリア=サンドラ・ブロック
ラストに登場。サンドラ・ブロックさん、動じない女が似合う。吹替声優は米倉涼子さん。吹き替えでも楽しみたい。他、ふわちゃんも声優として登場する。
木村=木村=小路アンドリュー
日本語のセリフあり。日本語ネイティブではないはずだが、お見事レベル。「元殺し屋今アル中」感をリア演じる。長身痩躯。真田広之さんの息子役。不自然ではないから不思議。原作同様プリンスに捕らえられてしまう。さて、息子の敵討ちができるのか、、
王子=プリンス=ジョーイ・キング
原作『マリアビートル』の男子設定は、映画『ブレッド・トレイン』ではロシア系女子高生 ホワイトデス(映画『ブレット・トレイン』ラスボス)の娘。目力がすごい。憎悪が宿る。外見からか弱いJKには見えない。解りやすいキャスティング。原作王子にとって殺しは実験だが、彼女の殺しの理由は、、、
檸檬=レモン=ブライアン・タイロン・ヘンリー
『機関車トーマス』好きは原作『マリアビートル』と同じ。ブライアン・タイロン・ヘンリーの愛くるしい容姿が人物像を表す。なるほど!のキャスティング。『トーマス』を教訓に、プリンスの正体を見抜く。殺される直前、相棒レモンに伝える方法を咄嗟に実行。さて、どんな方法か、、、そして、、、ラストまで目が離せない。
蜜柑=タンジェリン=アーロン・テイラー=ジョンソン
映画『ブレッド・トレイン』では、壮絶なアクションの殺し合いの中、主要キャストはほぼ死なないしぶとい人たち。唯一死んでしまうのがタンジェリン。正反対とも言える相棒レモン。ふたりの信頼関係が胸熱。
木村父=エルダー=真田広之
「武士」として登場。狭い列車内でも、期待通り見事な殺陣を披露。エルダーの時代錯誤な違和感が、この作品のファンタジー感を増幅している。レディバグとのやりとり、笑える。ブラピ・真田の豪華で息ぴったりの共演は見逃せない。
狼=ウルフ=バッド・バニー
原作では小物だが、映画ではマフィアのボス「レディバグの不運」の被害者で、いつかやり返そうと狙っている。
(原作にはいない)=ホワイトデス=マイケル・シャノン
峰岸を倒したラスボス。極悪女子高生プリンスの実父。
なんと言っても、映画『ブレット・トレイン』の見どころは、計算されつくされたアクション。しかも、コミカル。
新幹線『ゆかり』の客車内・食堂車内・トイレの中といった社内のいたるところがアクションシーンに使われます。それどころか、列車には穴が開き、列車の上や外も使われます。武器も、銃・ナイフ・日本刀、ペットボトル・アタッシュケース・ペン・ゴミ箱・ティッシュ・トレイなどなど、ありとあらゆるものが使われます。
それにしても、あのアクションの数々は、俳優さん同士の息が合わないと、気が合わないと、仲良くないとできないことだろうな、と思います。
それをうらづけるようなことを、映画『ブラッド・トレイン』の公式サイトで見つけました。
真田広之さんのインタビュー記事です。
ちなみに真田が好きなシーンは、レディバグ役のブラッド・ピットとの共演シーン。特に会話の場面が印象に残っているようで、「ブラッドはアドリブでテイクごとに違うセリフを言ってきたり、アプローチが変わったりするんですよね。注意深く聞いていないとリアクションを取れないし、(エルダーの)キャラクターで返さなきゃいけない、そういうプレッシャーがありました」と振り返っている。「笑ってしまうぐらい面白いセリフを言ってくるので、危うく笑いそうになるんですけども、キャラクターをキープしないといけない」。
真田とブラッドは本作が初共演。「カメラテストで顔合わせをした時からとてもフレンドリーで紳士的で親しみやすいと言いますか、コミュニケーション取りやすい、懐が広いと言いますか。とてもいい雰囲気の中で撮影が出来たので本当によかったと思いますね」と撮影現場を回想した。
スタントマン出身デビット・リーチ監督だからこそのキャスティングとアクション、見物です。
映画『ブレット・トレイン』の魅力みっつめは? 懐メロ・ロケ地が生み出すファンタジー日本
映画『ブレッド・トレイン』おもしろいのは、キャスティングやアクションだけではありません。
背景とBGMが、はちゃめちゃ感に拍車をかけます。
舞台設定が日本と言うことにはなっていますが、地名と風景が一致するのは米原駅だけらしいです。たしかに、日本人の私たちが観ると違和感だらけ。
それもそのはず、ロケ地はカルバーシティのサウンドステージだそうです。コロナ禍でもあり、本物新幹線でのロケは無理だったようで、セットで日本と新幹線を創り上げたわけです。東京は新宿と原宿が混ざっていたし、東京発が夜で、京都着が朝だった気がします。富士山も東京からやけに遠い。
しかも、BGMが「すきやき(=上を向いて歩こう1963坂本九)」「ヒーロー(浅倉美希ボニー・タイラーのカバー)」「時には母のない子のように(1969カルメン・マキ)」さらに、元ハイファイセットの山本潤子さん、元オフコースの鈴木康博さん、元ふきのとうの細坪基佳さんによるSong For Memories「Five Hundred Miles」(へディ・ウェストのカバー)、「Kill Me Pretty」は「日本のロバート・プラントを探している」という映画監督からのオファーに奥田民生さん指名。主題歌も「ステインアライブ」、、、という昭和のラインナップ。
あれー、これって何時代の設定?なんて考えてはいけません。
外国の方が考える日本のイメージが、この映画『ブレッド・トレイン』には詰め込まれてるわけです。考えたら、新幹線の名前は「ゆかり」で、社内も赤いライトや老舗料理店のような調度類でした。
そして、こんな背景・音楽のごちゃごちゃ感と、ストーリーやアクションのはちゃめちゃ感が、映画『ブレッド・トレイン』を、笑いあふれるファンタジーにしていたのですね。
「未来のおとぎ話的な日本で描かれていると思った」「基本的にはこの世界観を楽しもうという感じでした」
これは、真田広之さんのインタビューの中の言葉ですが、なるほど納得です。
「未来のおとぎ話的日本」のん「世界観を楽しむ」というぶのが、映画『ブレッド・トレイン』の楽しみ方なのですね。
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